派遣の3年ルールとは?例外や延長して働く方法を解説

公開日:2024/08/02
3年ルール

あなたは、派遣の3年ルールについてご存じでしょうか。派遣の3年ルールとは、労働者派遣法の改正によって新設された、派遣期間の制限を設けたルールです。基本的に、派遣社員は同じ職場で3年以上を超えて働けないことを定めています。本記事では、派遣の3年ルールについて詳しく紹介します。

派遣の3年ルールとは?

派遣の3年ルールは、有期雇用派遣労働者を対象にした派遣期間の制限のことを指します。派遣の3年ルールについて、詳しく見ていきましょう。

派遣の3年ルールが制定されたのはいつ

派遣の3年ルールは、2015年9月に行われた労働者派遣法の改正によって制定されました。同じ職場で3年以上を超えて働けない決まりであり、事務所単位の制限と個人単位の制限の2つに分けられます。

派遣社員として気に入った職場で長く働きたいと考えている方は、その会社が3年以上働けるのかしっかり確認しておきましょう。

3年ルールの概要とは

3年ルールが制定された目的は、派遣労働者の雇用の安定とキャリアアップを目指すためです。同じ企業で同じ方が3年以上働く場合には、企業側に正社員として雇用することを促し、雇用安定措置を取れるなどのメリットがあります。

一方で、3年で雇用契約を切りやすくなってしまっている側面もあります。場合によっては、所定の手続きを取ることにより3年以上の雇用もできます。しかし、基本的に延長されるのは派遣可能期間であることには変わりありません。

3年ルールの対象者とは

3年ルールの対象者は、基本的に派遣元の事業主と有期雇用派遣契約を結んでいる派遣労働者です。有期雇用派遣は、契約の期間を定めて派遣される雇用形態のことを指し、契約の更新手続きをすることで雇用の継続ができる流れです。

派遣の3年ルールにおける例外

基本的には、派遣は3年ルールのもとに働かなければなりません。ただ、一部には例外があります。派遣の3年ルールにおける例外について紹介します。

派遣元で無期雇用契約を結んでいる方・60歳以上の方

派遣元の事業主と無期雇用の契約を締結している労働者は、3年ルールの対象外となります。これは、労働者が派遣先に無期限で労働されることを条件に働いているためです。

また、有期雇用派遣労働者であっても、3年経過時点で60歳以上の場合は3年ルールの対象外となります。例えば、働き始めた年齢が58歳の場合、3年ルールの適用外となります。

有期プロジェクトに従事する方・日数が限定されている業務に従事する方

終期が明確に決まっているプロジェクトに従事する派遣労働者については、就業期間が3年を超える場合でも、3年ルールの例外です。ただ、プロジェクト内容によっては対象外となる場合もあります。

基本的には、事業の開始・転換・拡大・縮小又は廃止のためのプロジェクトとしています。また、日数が限定されている派遣社員に関しても、3年ルールの対象外となることに注意が必要です。

出産・育休・介護で休業する方の代替として働く方

出産・育休・介護といった方の代わりに従事する派遣社員の方も例外となります。基本的には、先を見越して働く派遣社員が3年ルールの対象となるため注意しましょう。

派遣の3年ルールを延長して働く方法

派遣社員として働くうえで、良い環境の職場である場合3年ルールを延長して働きたいと考える方もいるでしょう。派遣の3年ルールを延長して働く方法を紹介します。

直接雇用に切り替えてもらう

3年を超えて働く場合、派遣先の事務所に直接雇用として働かせてもらう選択肢があります。働いてく上で、環境の良い職場や、スキルアップを目指したい方は直接雇用として働きたいと希望する方もいるでしょう。

直接雇用として働くには、有期労働契約を締結している派遣元企業と、派遣を受け入れている派遣先企業の双方の同意が必要です。

無期雇用に派遣社員になる

無期雇用の派遣労働者になることで、3年ルールの適用除外となる方法もあります。無期雇用派遣は派遣元の事業者と契約を交わすものであり、基本的には労働契約の更新がないものとなります。

このため、3年ルールが適用されませんが、現状の有期雇用派遣契約を変更することになるため派遣元企業と労働者の合意が必要となることに注意しましょう。

3年ルールのメリット・デメリット

3年ルールのメリットとしては、派遣期間が終了した時点で、直接雇用で働ける可能性があることです。ただ、直接雇用として雇用されても、正社員として働けるかどうかは別になります。また、3年ルールのデメリットとしては3年以内に派遣先の企業から、契約を解除される可能性があることです。

働きやすい環境の職場で長く働きたいと感じていても、直接雇用に結びつかない場合もあることを頭に入れておきましょう。総じて、3年ルールに考えを縛られるのではなく、自身でキャリアアップの努力をして、勤務先の雇用に関する考え方を考慮することが大切です。

まとめ

今回は、派遣の3年ルールについて、例外や延長して働く方法を解説しました。派遣として働くためには、将来的にどのような働き方をすべきか把握してから職場を選ぶ必要があるでしょう。中には、直接雇用として働けるチャンスもあり、将来的には企業と直接契約をして働けるチャンスもあります。3年ルールが制定された背景には、派遣労働者の雇用の安定と待遇改善という目的がありますが、一定のデメリットがあることも念頭に入れておきましょう。本記事が、派遣として働くべきか迷っている方の参考になれば幸いです。

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