働く際に気になるのは、待遇面や福利厚生の充実度です。特に派遣社員として働く場合は、通勤手当が支給されるのか疑問を持つ方もいるでしょう。働くことを希望しても通勤手当がなければ、近隣で働くしかないため選択肢が狭まってしまいます。本記事では、派遣社員に対する通勤手当の在り方について紹介します。
通勤手当の支給条件
改正労働者派遣法が施行され、派遣社員の働き方に対する考えも大きく変化しました。ここでは、通勤手当の支給条件について紹介します。
派遣社員にも通勤手当は支給される
改正労働者派遣法が施工される前は、通勤手当は給料に含まれるという考えが大半でした。ただ、改正労働者派遣法が施工されてからは、派遣社員にも通勤手当が支給されています。
通勤手当が給料に含まれることにより、今まで仕事の応募をためらっていた方も仕事の選択の幅が広がったと言えるでしょう。
通勤手当の支給金額は企業によって異なる
派遣社員にも通勤手当が支給されることになり、仕事を選択する幅が広がった方も多いでしょう。ただ、通勤手当の計算方法は企業によって異なり、通勤手当の支給金額にも規定があります。
改正労働者派遣法が施工されてからは、基本的に一般通勤手当である1時間あたり72円と同等以上を支給しなければならないと定められています。
通勤手当が支給対象外になるケースも
通勤手当には、支給対象となる場合とならない場合があります。例えば、電車やバスで通勤する場合は、ほとんどが支給対象となるでしょう。
ただ、自転車で通勤する場合は対象にならない場合がほとんどとなるため注意が必要です。また、車で通勤する場合、ガソリン代は対象となりますが、高速料金や有料道路は支給対象とならない場合が多いため注意しましょう。
通勤手当の計算方法
通勤手当の計算方法は、企業によって異なるため働く前にしっかり確認しておくことをおすすめします。ここでは、通勤手当の支給方法について紹介します。
実費支給と定額支給の2種類がある
通勤手当には実費支給と定額支給の2種類があります。これは、派遣会社の労使協定で決められているのが一般的です。支給される交通費の目安を知るためにも、事前に算定方法の基本を知っておくと良いでしょう。
通勤手当の実費支給について
通勤手当の実費支給とは、通勤距離や通勤方法に応じた実費を支給する算定方法です。基本的には、自宅から職場までの交通費の1日あたりの実費額に出勤日数を乗じた金額を支給されます。
ただ、企業によっては派遣社員に支給される通勤手当の上限を設けているところもあります。事前に把握しておくためにも、担当者へ確認しておきましょう。
通勤手当の定額支給について
通勤手当の定額支給とは、通勤距離や通勤方法にかかわらず定額の交通費を支給する算定方法です。厚生労働省の定めによると、一般的な正社員の通勤手当の金額以上の額を支給するようにされています。
2023年の額は71円であるため、所定内労働時間が1時間あたり71円以上の金額を通勤手当として支給することが基本です。
通勤手当における注意点
通勤手当の支給によって、税金や社会保険料額が増える可能性があります。ここでは、通勤手当における注意点について紹介します。
社会保険料の暫定に含まれる
基本的に通勤手当は、社会保険料の算定基礎には全額が含まれるとされています。健康保険料や年金などの支払額に影響する可能性があることに加え、被保険者の被扶養者に該当するかどうかの判定基準にも影響するため注意が必要です。
また、派遣社員として扶養内で働く場合は、通勤手当も合わせて130万円未満に収まるかどうか確認しておきましょう。
課税対象の範囲が支給内容によって異なる
通勤手当は一定額まで非課税になりますが非課税限度額が通勤手段によって異なることに注意しましょう。自転車・自家用車で通勤する場合の非課税限度額は、片道通勤距離によって変動し複雑です。
もし、今まで電車・バスで通勤していた方が自家用車へ切り替える場合には注意が必要です。うっかり非課税限度額を超えてしまったとならないよう、事前にしっかり確認することをおすすめします。
自家用車を通勤手当として認めない企業もある
すべての企業が、派遣社員に対して自家用車の通勤を認めていません。自家用車による通勤そのものを認めるかどうかは企業によって異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
派遣社員として働くことを検討している方は、事前に通勤手当に関してチェックしましょう。派遣社員としての求人を探す際にも、自分の通勤方法と照らし合わせて通勤手当の項目をチェックすることをおすすめします。
まとめ
派遣社員でも通勤手当が支給されることは、大きな安心材料です。改正労働者派遣法の施行により、派遣社員にも通勤手当が支給されるようになりました。通勤手当の支給条件や金額は企業によって異なり、実費支給や定額支給の2種類があります。注意点として、通勤手当は社会保険料の算定基礎に含まれることがあります。また、課税対象範囲が通勤手段によって異なるため、事前に確認が必要です。また、自家用車での通勤を認めない企業もあるため、派遣先企業の規定をしっかり確認することが重要です。通勤手当が支給されることで、通勤費用の負担が軽減され、働く選択肢が広がるため、派遣社員にとって大きなメリットとなります。適切な情報収集と確認を行い、快適な働き方を実現しましょう。